2014年5月24日土曜日

山河また一年経たり田を植うる

日向薬師の棚田 2014.05.24
五月も 「八十八夜」から「立夏」を過ぎ、先日には「小満(しょうまん)」と、季節は足早に過ぎていく。

 秋に蒔いた麦も穂がつき、熟す頃であり、二十四節気の「小満」には、ほっと一安心という意味もあるそうで、農民にとって農作物の収穫の多いい少ないは、生活にかかわる大問題であり、現段階で順調に育っていて良かったと少し満足したことから小満という名が付いたとも言われている。

  田に水が張られ、代掻きの終わった田には、今年も稲苗が植えられていく。 秋には黄金色にかがやく稲穂が実り多く首を垂れる様を願いながら。

 今では機械で田植えを行うところがほとんど、集落共同で、田植歌をうたいながら植える風景もほとんど見られない。 それでも、棚田では曲線を描く畔に、機械で植え残されたところを丁寧に手植えをしていく。




「 田一枚 植えて立去る 柳かな 」       (松尾 芭蕉)


「 山河また 一年経たり 田を植うる 」     (相馬 遷子)