2014年7月23日水曜日

大暑・楽しさや青田に涼む水の音

日向の青田 2014.07.23
本日は、二十四節気の一つの「大暑(たいしょ)」である。 『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されている。

 暦の上の期間としては、本日から次の節気の「立秋」の前日までを、大暑(たいしょ)と言い、一年のうちで最も暑い頃とされ、「小暑」あるいは「大暑」から「立秋」までの間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送り、「立秋」を過ぎれば残暑見舞いとなる。

 昨日(22日)は、関東でも梅雨明けの発表があり、全国各地で真夏の強い日差しが照りつけ、気温がグングン上昇、本日も暦通りの大暑となった。

 気象庁では、最高気温が25℃以上を「夏日」、30℃以上を「真夏日」、35℃以上の日を「猛暑日」とし、最低気温が25度以上の夜を「熱帯夜」と呼んでいる。

 ちなみに、「猛暑日」という言葉は、日本国内においては2007年以降に使われ始めたということだが、地球温暖化の影響か、近年は異常とも思える高温により、毎年のように熱中症で救急搬送される人も増えていて、亡くなる人もあり、ニュースなどで報道されても驚かなくなった自身の感覚も異常なのかもしれない。

 「熱中症」という言葉も、最近よく耳にする言葉であるが、いわゆる「日射病」や「熱射病」、「熱け
いれん」、「熱疲労」などの症状を総称したもので、屋外の炎天下で大量に発汗して、身体の中の水分が不足する事で、いわゆる脱水状態に近い症状が「日射病」、屋内外を問わず、高温多湿の下で長時間いた場合に、大量の汗をかき、体内の塩分や水分が著しく不足し、体温の調節が効かなくなって起こる症状が「熱射病」。
 
 以前、真夏にパチンコ店の駐車場で、車内に幼児が長時間置き去りにされ、亡くなった事件や、近年では、家の中で倒れている一人暮らしのお年寄りなどが問題視されている。

 昔、小学低学年の夏休みに一日中釣りをやってて、家に帰ったところで、日射病で倒れたことがことがあった。 それ以来、出かけようとすると決まって母が「帽子かぶって行きなさいよ」と口癖のように言っていたのを思い出す。 


 熱中症は症状によって以下の3段階に分類されており、「熱射病」と言われる重症型熱中症は、死亡率が30%に達する極めて危険な病態である。


 1(軽症) ・体に力が入らなかったり、こむら返り(ふくらはぎや足の裏
        の筋肉などが突然痙攣を起こし、強い痛みを伴うこと)。

        ※多量の発汗の後、塩分などの電解質が入っていない水のみ
         を補給した場合に起こりやすい。

       ・立ちくらみや数秒程度の失神。

        ※運動をやめた直後に起こることが多い。


 2(中等症)・顔面蒼白、めまい感、疲労感、虚脱感、頭痛、失神、吐き気、
        嘔吐などのいくつかの症状が重なる。


 3(重症) ・意識障害や過呼吸、立てないなどの症状が、中等症の症状と
        重なり合って起こる。



 尚、熱中症予防の観点から暑さに対して我慢は禁物です。外出を控えたり、
冷房を適切に利用することも大切。



日向の棚田 2014.07.23

 日本語には、暑さを現わす言葉も少なくない。

 俳句の季語にも、大暑はもちろんのこと、極暑(ごくしょ)、酷暑(こくしょ)、炎暑(えんしょ)、劫暑(ごふしよ・ごうしょ)などというのがある。 いずれも暑さの極みといった感があって面白い。

 この頃はまた、田植えが終わって1ヶ月以上たち、青田と呼ばれる風景が広がり、頼りなかった稲の苗も生長し、一面に青々として風になびく様は、見るからに爽快である。


 扇風機やクーラーのなかった時代、陽も傾きかけた頃、日中の暑さも少し和らぎ、棚田をわずかに吹き抜けていく風にも涼しさを感じる心の余裕があった時代。


 
”念力の ゆるめば死ぬる 大暑かな”   (村上鬼城)


”楽しさや 青田に涼む 水の音”     (松尾芭蕉)










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