2014年9月18日木曜日

筋トレで免疫力アップ!


● 筋肉と病気の関係は!


 最新の研究によると、筋力の低下が足腰の衰えだけでなく、さまざまな病気と大いに関係することが明らかになってきたという。

 私たちの体は、病気のようなピンチの状況になると、筋肉の中から「グルタミン」という物質を出し、免疫細胞であるリンパ球を増やすことで免疫力を増やし、肺炎やその他の感染症などに対抗できる体にしているという。

 「グルタミン」は、筋肉中にあるアミノ酸の一種で、病気などの緊急時に自らの筋肉を壊し、免疫力を高めることで身を守ってくれる重要な役割をしている。

 研究によると筋肉が多い人のほうが、少ない人よりも病気による死亡率(重症患者の場合)が半分になるとの報告もあり、足腰の筋肉の衰えが、肺炎、心筋梗塞、腎臓病、糖尿病、動脈硬化、敗血症など、さまざまな病気と関係していることが明らかになりつつある。

 また、筋肉には、グルタミンによる免疫力アップの働きだけでなく、糖をエネルギー源として吸収する働きが結果的に、血液中の血糖値の上昇を抑えたり、動脈硬化を防いだりするホルモンが出ていることも明らかになってきています。

 筋肉は、普段から適度に使っていないと徐々に減少していく。たとえば宇宙飛行士が無重力状態の空間に長期間滞在する場合、筋肉量や骨量(骨密度)が低下することが知られている。
 これを防止するために、彼らには無重力の状態でも日課として一定の運動が課せられているが、それでも地球への帰還後、運動機能回復のため長期のリハビリが必要と言われている。
 
 極端に筋肉量が低下してしまった状態は、「サルコペニア」と呼ばれていて、健康長寿を考える上で重要な症状と言われている。 
 特に高齢者においては加齢や、長期入院(1~2ヶ月)などによる運動量の減少により、筋肉量が低下した結果、寝たきりの状態におちいることもめずらしくない。

 たとえば、手術や骨折などで入院したところが、1~2か月の入院で骨折部分は完治したが、そのまま看護ベットに寝たきりの状態になり、さらに認知症も発症してしまったという事例もめずらしくない。
 若年者の場合は、退院後に短時間で筋肉量も回復することができるが、高齢者の場合は入院時から退院に向けての運動機能回復のためのリハビリが重要視されてきている。

 「サルコペニア」かどうかは、普段の生活の中で、片足立ちで靴下がはけない、ビンのふたがあけにくい、横断歩道を渡り切る前に赤信号に変わってしまったなどの経験が生じた場合には要注意である。

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● 効果的に筋肉量をアップする方法例


 筋肉は、加齢とともに筋肉細胞の働きが弱まり萎縮すると、その隙間に脂肪が入り込んでしまい、これを「異所性脂肪」といい、筋肉がいわば「霜降り肉」のような状態になる。
 この結果、一般的に高齢になるほど筋トレをしても、その効果が上がりにくいと言われていが、筋力は何歳からでも復活可能、ただし何事も無理は禁物てある。頑張りすぎて筋肉痛や体調を崩しては本末転倒である。
 また、高血圧や心臓病など持病のある人は、医師と相談し、指導に従ってください。


《 高齢者でも比較的楽に筋力をアップする方法 》

( 筋力アップ=インターバル歩行+牛乳を飲む )
① ややきつめの速歩を3分行う
  (歩速の目安は、自分で普段歩く速さより少し早いかなと感じる程度でもよい。)

② 3分間速歩したら、ゆっくり歩き、また3分間速歩というように、交互に繰り返す。

③ 1週間で速歩の時間が合計60分になることを目標にする。 
  (例えば、1日に3分の速歩を5回(15分)行えば、週4日でもよい。)

④ インターバル歩行後、30分~1時間以内に牛乳200~300ml(コップ一杯程度)を飲む
  (時間がたつと筋肉への吸収が低下するので早めに飲むのがポイント。)


(インターバル歩行)

|―(速歩3分)→|・・(ゆっくり1~2分)・・|―(速歩3分)→|・・(ゆっくり1~2分)・・| ~

・ インターバル歩行は、(速歩)と(ゆっくり歩行)を繰り返して行う。
・ 速歩の目安:自分がやや早いかなと感じる程度でよい(個人差あり他人と比較しない)
・ ゆっくりの目安:速歩で上昇した息(呼吸)や動悸(心拍数)をいったん整える程度の歩行。

(注意点)
 ・ 普段歩きなれていない人は、無理をして速く歩かないでウォーキングの習慣から始める。
 ・ 速歩を行う際は、足元の障害物(段差や小石など)に気をつけて転倒に注意する。
 ・ 体調がすぐれないときや、歩行中、足や腰・膝などに違和感を感じたときは無理をせず中止する。

★ 体に良いからと言って無理は禁物、過ぎたるは猶及ばざるが如し。自分で目標(運動量)を上げ過ぎて健康を害しては本末転倒。何事にも中庸(ほどほどに)が肝心。
あくまでも普段の生活習慣の範囲内で生涯現役(自分の足で歩けること)を目標に!


《 速歩トレーニングの考えられる効果 》

・ 速歩トレーニングにより筋肉に負荷をかける(速歩を行う)
   ↓
・ 筋肉は運動で消費した栄養を補給するために30分~1時間だけアミノ酸などを取り込む穴を開く。
   ↓
・ 速歩トレーニング後、この時間帯にあわせアミノ酸を多く含む牛乳を飲む。
  (牛乳でなくても、乳タンパクを含むヨーグルトやチーズでもよい。)
   ↓     
・ 筋肉にアミノ酸が補充されることで、結果的にグルタミンもたくさん作られる。

(速歩の後、牛乳を飲んだ人は、飲まない人に比べて脚の筋力が2倍近く増えるという研究結果もある。)


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● 運動後の牛乳には熱中症予防の効果も!


 夏の暑さに強くなるには、普段から運動をする習慣をつけることで、汗をかきやすい体質の体になり、体温を上がりにくくし、暑さに強い体になるのだというが、最近の研究で、さらに効率的な方法が運動の後に牛乳を飲むことであるという。

 運動の後に牛乳を飲むことで、牛乳に含まれるたんぱく質により血液中に「アルブミン」が合成される。 さらに「アルブミン」には水分を保持する働きがあるため、血液中に「アルブミン」が増えると水分が引き込まれ血液量が増える。

血液中の水分は、汗の材料にもなるため、血液中の水分量が増えることで汗をかきやすくなったり、皮膚血流の増加による熱放散をしやすくなったりして、体温が上がりにくい体になるのだと言う。


(注意)
・ 牛乳でなくても、たんぱく質を含むものには、効果が期待できると考えられている。
・ 運動は暑い時間帯を避け、体調のすぐれない時は無理をせず中止する。
・ 高血圧・心臓病などの持病のある人は医師の指導に従ってください。
・ 脂肪のとりすぎにはご注意ください。


★ 最近、このほかにも生活習慣にウォーキング(手軽な運動)や、ストレッチ体操などを取り入れることで、健康・長寿への効果が再び注目されています。
 さらに、運動と同時に食事の面でも「魚」や「野菜」と同様に、高齢者でも「肉」などの動物性たんぱく質の適度な摂取が、健康・長寿に効果があるとする研究報告もある。