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愛甲地区・寒露の夕暮れ 2013.10.08 |
露が寒冷の気にあって、凍る(霜)手まえにあるころの意とされ、秋の実り(五穀百果)を収穫する時期で、朝露が冷たい空気と接し、霜に変わる直前のころ。
里山では紅葉も始まり、燕(ツバメ)などの夏鳥は南へと帰ってゆき、かわりに雁(がん)などの冬鳥がやってくるころ。
庭では菊の花が咲き始め、秋の夜長を賑わせていた蟋蟀(こおろぎ)の鳴く声も、いつしか聞こえなくなった。
陰暦では九月の節、陽暦(現行暦)では10月8日ごろにあたるが、今日は九州北部に接近している台風24号の影響か、南からの風で気温が上昇し、「寒露の候」とは思えない陽気となった。

豊臣秀吉の詠んだ句に、
「露と落ち露と消えにし我身かな 浪速のことも夢のまた夢」
という有名な句があります。
秀吉「辞世の句」とされていますが、実際は、亡くなる10年以上も前の五十歳初めの頃に詠んだ句とも言われている。
貧しい家の子として生まれ、後に「関白・太閤」の地位まで上りつめ、栄華を極めた秀吉でさえ、人生の儚さ、永遠の命などないのだと悟った戦国武将の思いが込められていたようにも思える。
今日も午後から日課のウォーキング、そろそろ冬籠りの仕度をはじめていた「蛙(かえる)」も、この陽気で「日向ぼこ」か。
” 露の世は露の世ながらさりながら ” (小林一茶)
” 目覚めては確かむ露の樹下の道 ” (石田波郷)
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