2018年5月10日木曜日

山北・高松山散歩


(コース概要)

(JR御殿場線・「東山北」駅 から高松山に登り、第六天(尺里峠)、最明寺史跡公園を経由して、西平畑公園(松田山ハーブガーデン)、小田急・「新松田」駅へと至るコース。)


 「高松山」は、神奈川県の西部、西丹沢山系の南端に位置する標高801mの低山ながら山頂からの展望もよく、近くにある大野山とともにハイカーに人気の山でもある。

 JR御殿場線・「東山北」駅を起点にし、高松山の南麓にある尺里(ひさり)集落(高松山入口・バス停)から、急斜面に開かれたミカン畑の農道を上って行くと、眼下に足柄平野が広がってくる。
 農道終点からは、スギやヒノキの人工林と雑木林が混在する山道となり、展望はあまり望めない。

 「ビリ堂」と呼ばれる馬頭観音の石像を過ぎると、登山道は徐々に傾斜を増し、山頂へと続く稜線直下では、深く浸食され、やや荒れた箇所も見受けられる。
 稜線に出て、「ヒネゴ沢乗越(はなじょう古道)・秦野峠」方面からの道に合流し、右へ5分ほど上ると「高松山・山頂(801m)」に到着する。
 山頂は、周囲を杉・ヒノキの人工林に囲まれるも南面が開け、眼下に足柄平野、小田原市街地、富士山を挟んで愛鷹山、箱根連山から伊豆半島などを望むことが出来る。

 山頂からは、南東の尾根沿いに「第六天(尺里峠)」へと下って行く。 峠からは、高松・集落を経由し、尺里川沿いを尺里・集落へと下山し、「高松山入口」バス停へと戻るコースが一般的だが、今回はさらに山並みに沿って「最明寺史跡公園」、「松田山ハーブガーデン(西平畑公園)」を経由し、JR御殿場線・「松田」駅、小田急・「新松田」駅へと下山する、約5時間35分の散歩みち。 

(尚、後半の「第六天(尺里峠)」から松田山への間は、林道や里道が交差、分岐する箇所も多くなることから、道標を見落とさない様に注意して歩くことが必要と思われる。)
 

(コース)

1.JR「東山北」駅 →(2時間35分/5.9㎞)高松山・山頂
 ・ JR「東山北」駅 → 「高松山入口」バス停 → 安洞橋(尺里川) → 山の神 → 農道・終点 → ビリ堂 → ビリ堂・分岐 → 高松山・山頂

2.高松山・山頂 →(40分/1.6㎞) 第六天(尺里峠)
 ・ 高松山・山頂 → 男坂 → 真弓ヶ丘 → 富士見台 → 第六天(尺里峠)

3. 第六天(尺里峠) →(55分/2.8㎞)最明寺史跡公園
 ・ 第六天(尺里峠) → 高松・分岐 → 最明寺史跡公園

4.最明寺史跡公園 →(1時間5分/4.2㎞)西平畑公園(松田山ハーブガーデン)
 ・ 最明寺史跡公園 → 西平畑公園(松田山ハーブガーデン)

5.西平畑公園(松田山ハーブガーデン) →(20分/1.5㎞)小田急「新松田」駅
 ・ 西平畑公園(松田山ハーブガーデン) → JR「松田」駅 → 小田急「新松田」駅

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(所要時間)
・約5時間35分/歩行距離:約16.0km (時間/距離ともに参考程度とする)

(備 考)
・記 録:2018年 05月06日
・アクセス:・JR御殿場線「東山北」駅下車。
      ・小田急線「新松田」駅より「山北駅」行バス、「高松山入口」下車。


(動 画)



















●YouTube : 山北・高松山散歩 ( https://youtu.be/3t7uaXdjNH0 )


(山北・高松山散歩みち)




山北・高松山散歩/独案内(2018/05/06)

1.起点・JR「東山北」駅から高松山・山頂へ


■ 「東山北」駅から「山の神」分岐へ

▶ 今回はJR御殿場線・「東山北」駅を起点とし、国道246号に出たところで国道沿いに高松山・登山口である尺里(ひさり)へと向かう。 尺里・集落の手前で右へ旧国道に入ると「高松山入口」バス停がある。

「東山北」駅
「東山北」駅










「東山北」駅前
「東山北」駅前










JR御殿場線ガード下をくぐる
国道246号沿い










尺里の手前で国道を右へ
「高松山入口」バス停











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● 「高松山入口」バス停

▶ 「高松山入口」バス停で右へ、住宅地を抜け東名高速道路の高架下で尺里川に架かる「上の台橋」に高松山ハイキングコースの道標が立っている。
 通常のコースは、「上の台橋」を渡り、尺里川を上流へと向かうが、現在(2018年5月6日)新東名高速道路建設に伴う工事が行われているため、橋の手前を直進し、上流の「安洞橋(鉄橋)」で尺里川を渡る。

 川に沿って上流へ歩くと、程なくして集落の外れで「山の神」の分岐に着く。

「高松山入口」バス停の先で旧国道246号を右折
















尺里・集落から高松山へ
















「上ノ台橋」手前の東名高速道路・高架下を抜ける
















尺里川を上流へ
















上流の「安洞橋(鉄橋)」で尺里川を渡る
















尺里川沿いを「山の神」分岐へ
















「山の神」分岐
















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■ 「山の神」分岐から「農道終点」へ

▶ 集落の外れにある「山の神」の分岐を左折し、山腹に広がるミカン畑の農道を上って行くと眼下に足柄平野が広がってくる。

 さらに「新東名高速」の道路工事により造成された山腹のミカン畑跡を上って行くと、農道終点の手前に仮設のハイカー休憩所が置かれていて、「農道終点」から山道へと変わる入口に、高松山まで1時間30分と記された道標が立っている。

「山の神」
















「山の神」分岐を左へ
















「山の神」分岐・道標
















農道を上る
















尺里集落・丸山方面を望む
















ミカン畑の農道を上る
















東名高速・足柄平野を望む
















「新東名高速」・造成工事
















「新東名高速」・造成工事
















「農道終点」手前・仮設休憩所
















「農道終点」
















「農道終点」・道標
















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■ 「農道終点」から「ビリ堂」へ

▶ 「農道終点」から雑木と人工林の登山道を1時間ほど上ると、道端に石仏(馬頭観音像)が2体並ぶ「ビリ堂」と呼ばれる場所に着く。

登山道
















登山道
















登山道
















登山道
















「ビリ堂」前
















「ビリ堂(馬頭観音)」
















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■ 「ビリ堂」から高松山・山頂へ

▶ 「ビリ堂」を過ぎると登山道は徐々に傾斜を増し、斜面を左の稜線へと上って行く。「ビリ堂」から約30分、深く削られ、荒れた道を登りつめると、ヒネゴ沢乗越から高松山山頂へと続く稜線に出る。 ビリ堂分岐(鞍部)から右へ約5分ほどで高松山・山頂に到着。

「ビリ堂」・道標(高松山30分)
















稜線への上り
















高松山山頂への稜線に出る
















ビリ堂・分岐(鞍部)
















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● 高松山・山頂(標高801m)

 高松山・山頂は、周囲を杉・ヒノキの人工林に囲まれるも南面が開け、眼下に足柄平野、小田原市街地、富士山を挟んで愛鷹山、箱根連山から伊豆半島を望むことが出来る。

高松山・山頂
















山頂(801.4m)・道標
















高松山山頂より富士を望む
















山頂広場・箱根連山を望む


















2.高松山・山頂から第六天(尺里峠)へ


■ 高松山・山頂から第六天(尺里峠)へ

▶ 高松山山頂からは、男坂と女坂に分かれるも山頂直下で再び合流し、南東へと延びる尾根筋(高松・虫沢古道)を「第六天(尺里峠)」へと下って行く。

高松山より第六天(尺里峠)へ
















男坂と女坂が山頂直下で合流
















男坂と女坂・分岐
















高松古道(虫沢古道)を第六天へ下る
















高松古道(虫沢古道)・道標
















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● 真弓ヶ丘

▶ 登山道の途中、スギ林を抜け、緩やかな尾根の南面が少し開けた場所に出る。 近くに立つ道標には「真弓ヶ丘」と記されていて、マユミの自生地になっている。

 「マユミ」は、ニシキギ科の落葉樹。雌雄異株で、樹質が強く、柔軟性があり、よくしなることから、古くより弓の材料として使われ、その名前の由来になったと言われる。 その他に、こけしや将棋の駒などの材料としても使われた。

真弓ヶ丘
















「真弓ヶ丘」・道標
















「マユミ」の古木
















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● 富士見台

▶ 「真弓ヶ丘」から杉林を下って行くと、西側の一部が少し開けた場所に出る。
「富士見台」と記された案内板が立っていて、富士山を望むことが出来る。周辺には山桜が多く見られ、春の桜の季節には、山腹が桜色の淡いピンクの色で染まる。

 「富士見台」を過ぎると、程なく「第六天」が祀られる「尺里峠」にでる。

富士見台
















富士見台
















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● 第六天(尺里峠)

 「第六天(大六天とも表記される)」とは、仏教における三界(無色界、色界、欲界)のうち、欲界にある六つの欲天の第六天(他化自在天)を指し、この天に生まれた者は他人の楽しみを自由に奪い自らの物とする事が出来きる魔力を持ち、第六天魔王・他化自在天(たけじざいてん)・天子魔などと称され、仏道修行を妨げ、破壊する力をもつ天魔とされていた。ちなみに、織田信長が自らを「第六天魔王」と名乗ったとの逸話があるが定かではない。

 だが、我が国に仏教が渡来し、神仏習合の過程で仏教を守護する神へと変貌したと考えられる。さらに、戦国時代から江戸時代にかけ、修験道(行者)を通じ、民間信仰として民衆へと広まるなかで、厄災難除、五穀豊饒、夫婦和合、子孫繁栄などの神として祀られ、信仰されるようになったと思われる。

 現在でも「第六天神社」、「大六天社」などの名称で関東の旧武蔵国、旧相模国、旧伊豆国地方を中心に分布しているが、明治維新の「廃仏毀釈」により、その多くに「第六天魔王」とは無縁の日本神道の神々が祭神として祀られるようになる。


▶ 峠を見下ろす尾根筋の台地に、「第六天魔王」すなわち「他化自在天・災障消除・諸縁吉祥」と刻まれた石塔が建っている。 台座には、「左ハ 向原道 中ハ 尺リ道 右ハ 山道」と刻まれている。

 峠は、林に囲まれ展望はなく、南麓の「尺里・高松」方面から北麓の「虫沢」集落へ越える峠道(虫沢古道)が通じており、「虫沢峠」とも呼ばれていた。

「第六天(他化自在天)」の石塔
















第六天・道標
















「第六天(他化自在天)」から尺里峠(虫沢峠)へ下る
















「尺里峠(虫沢峠)」・道標
















「尺里峠」から「最明寺史跡公園」へ


















3.第六天(尺里峠)から最明寺史跡公園へ


■ 第六天(尺里峠)から高松・分岐へ

▶ 「第六天(尺里峠)」からは、「最明寺史跡公園」と書かれた道標を目印に峠道を横断、向側の林道へと入って行く。 道は緩やかな尾根筋の道となり、牧場横の小道を下って行くと高松集落・分岐に出る。

第六天(尺里峠)から最明寺史跡公園へ
















第六天(尺里峠)から送電線の鉄塔を過ぎ、高松集落へ

















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▶ 道は緩やかな尾根筋の道となり、程なく視界も開け、牧場手前で「寄自然休養村」へ通ずる道と交差する。 分岐を直進するようにして向い側の牧場横の小道を下って行くと高松・分岐に出る。
(尚、分岐点で右折するルートの道標も立っているが、迂回路としてやや遠回りするものの高松・分岐手前でいずれも合流する。)

牧場前・分岐を直進
















牧場前(近道)・分岐道標を直進
















牧場前(迂回路)・分岐道標、右折ルート
















高松集落より富士を望む
















迂回路ルートと合流する
















迂回路合流・分岐道標(近道)
















迂回路合流・分岐道標

















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■ 高松・分岐から最明寺史跡公園へ

▶ 高松・分岐で車道を横切り、向いの小道に入って行く。 民家横の牛舎跡を左へ、雑木林の山道へと入って行く。 石仏(馬頭観音)の分岐を過ぎ、小高い丘陵地を越えると、程なく「最明寺史跡公園」上部北側の遊歩道に出る。 

高松・分岐(車道を横切り向い側の小道に入る)
















高松・分岐道標
















高松・分岐道標
















高松・分岐(最明寺史跡公園への小道に入る)
















石仏・分岐(民家横の牛舎跡前を左奥へ入る)
















石仏(馬頭観音)・分岐
















石仏・分岐道標
















小高い丘陵入口・分岐を左へ
















小高い丘陵入口・分岐道標
















杉林の丘陵・緩やかな上りに入る
















杉林の丘陵(里道)・分岐を左折、最明寺史跡公園へ
















杉林の丘陵(里道)・分岐道標

















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▶ 杉林の丘陵を抜けると、最明寺史跡公園・北側入口の遊歩道に入る。
遊歩道の途中で「最明寺史跡公園 0.1km 5分」の道標に従い、右斜面を下って行くと、池のある平地(最明寺・護摩堂跡)へと到着。

最明寺史跡公園・北側(上部)遊歩道入口

















最明寺史跡公園・北側(上部)遊歩道
















最明寺史跡公園・上部遊歩道
















最明寺史跡公園・遊歩道道標
















最明寺史跡公園・遊歩道(右斜面)を下る
















最明寺史跡公園・遊歩道道標
















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● 最明寺史跡公園

 「最明寺」は、松田山中腹に伊豆の浄蓮上人・源延により鎌倉時代の承久3年(1221)年、「西明寺」(真言宗)として建立されたのが始まりと言われ、鎌倉幕府5代執権の北条時頼が信奉するなど大いに繁栄したと言うが、戦国期の動乱で衰退、文明元年(1469)に松田山山中から現在の大井町金子に移され「最明寺」となった。

 その後、寺院跡周辺は茅場だったが、戦後、地元の農業青年部の若者らにより桜が植えられ、さらに昭和58年(1983)のゴルフ場開発で、この場所に排水池ができると、町が史跡公園として整備をし、近年は桜の名所としても知られるようになる。

最明寺史跡公園・池周辺は桜の名所として知られる
















最明寺史跡公園・護摩堂跡と寺縁起を記した石碑
















最明寺史跡公園・石塔群


















4.最明寺史跡公園から西平畑公園(松田山ハーブガーデン)へ


■ 最明寺史跡公園から西平畑公園(松田山ハーブガーデン)へ

▶ 最明寺史跡公園の管理小屋前を通り過ぎ、舗装された坂道を上る途中で右に松田市街地方面へ下る道が分かれる。
 西平畑公園(松田山ハーブガーデン)へは、坂道を直進し、直ぐ近くにあるゴルフ場へ通じる道に出ると、右へ緩やかに下って行く。

 「最明寺史跡公園」から「西平畑公園(松田山ハーブガーデン)」への間は、林道や里道が交差、分岐する箇所も多くなることから、道標を見落とさない様に注意して歩くことが必要。

林道・分岐を直進する(右は松田市街地方面の下山道)
















林道・分岐道標(西平畑公園方面)
















ゴルフ場・分岐を右へ緩やかに下る
















林道
















松田山(西平畑公園)・分岐(東屋風休憩所)
















松田山(西平畑公園)・分岐(休憩所)、左の小道に入る
















松田山(西平畑公園)・分岐道標
















遊歩道(獣害防護柵)を入る
















ミカン畑(農道)を左へ
















ミカン畑(農道)下る
















ミカン畑(農道)・西平畑公園北側入口へ下る
















ミカン畑(農道)・西平畑公園道標
















ミカン畑(農道)から西平畑公園・北側入口へ
















西平畑公園・北側入口
















西平畑公園・北側入口道標
















西平畑公園・遊歩道入口(獣害防護柵)
















西平畑公園・遊歩道
















西平畑公園・自然館手前の遊歩道
















自然館横・道標
















西平畑公園・こどもの館(ハーブガーデン)


















5.西平畑公園(松田山ハーブガーデン)から小田急「新松田」駅へ


■ 西平畑公園(松田山ハーブガーデン)から小田急「新松田」駅へ

▶ 西平畑公園から河津桜の斜面の階段を下り、東名高速道路脇の車道に出ると、左へ坂道を下って行く。

 JR駅方面の道標の立つ丁字路の分岐を右折し、東名高速道路の高架下をくぐると県道72号線に出る。 県道の「松田駅入口」交差点を横断し、直進するとJR「松田」駅前に出る。

西平畑公園(松田山ハーブガーデン)下・分岐
















西平畑公園(松田山ハーブガーデン)下・分岐道標
















東名高速道路の高架下をくぐる
















JR御殿場線・松田駅前

















▶ さらに、小田急線・「新松田」駅へは、JR「松田」駅前を左折し、商店街を抜けると県道711号線・交差点を右折し、JR御殿場線の高架下をくぐり抜けた所で右折すると小田急線・「新松田」駅北口に到着する。

小田急・新松田駅前