菜の花 |
『暦便覧』には、「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」と記されていて、昼(日の出から日没まで)と夜(日没から日の出まで)の長さが等しくなるとされているが、実際には昼の方が夜よりも少し長く、夏至(6月21・22日ごろ)に向い益々昼間の時間が長くなってゆく。
また、日本では「秋の彼岸」に対し、「春の彼岸の中日」とし、この日をはさんだ前後7日間を「春の彼岸」とし、さらに最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」と呼んでいる。
人々は、寒かった冬も終わり暖かい春が再び訪れた喜びと、先祖に対する追憶を胸に抱いてお墓参りに出かける。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昔より、春の彼岸では「寒い暑いも彼岸まで」、秋の彼岸では「暑さ寒さも彼岸まで」などと言い、この頃より春らしい天気が多くなる。 大山山麓でも、「マンサク」が咲き、純白の「コブシ」の花が咲き、「菜の花」が咲き、日向薬師、弘法山、飯山観音などでも「ソメイヨシノ」が咲き始めると、春本番を迎える。
ちなみに、気象用語でもある「春一番」とは、立春から春分の間に、その年に初めて吹く南寄り(東南東から西南西)の強い風(日本海を進む低気圧に向かって、南側の高気圧から吹く風速8m/s以上の風)で、前日に比べて気温が上昇することを条件としている。
この期間内で同様の南風が複数回発生した場合には、俗に「春二番」、「春三番」などと呼ぶこともあるが、立春の前や春分の後に同条件の風が吹いても気象庁は、定義上この風を「春一番」とは認めない。
また、俳句ではたんに「彼岸」と言えば「春の彼岸」を意味し、「彼岸」「彼岸前」「彼岸過」「中日」は春の季語としている。これに対し、秋の彼岸は「秋彼岸」「秋の彼岸」などという。
「毎年よ 彼岸の入に 寒いのは」 ( 正岡子規 )
< 日々是好日へ >